泊まりの部屋で。

月に四回程、職場に泊まらなければならない日がある。
私はそれが憂鬱でしょうがない。
なぜかと言うと、
夢を見るのです。決まって同じ夢を。
夢の内容はこう。
真っ暗な宿直部屋で目を覚ます。
トイレに行こうと体を起こし、入口のドアを開け廊下へ。
どんっ。
ドアを開けてすぐの所に人が立っていて、私はその人に思い切り肩をぶつけてしまう、
「すいません」
と謝りつつも足早にトイレへ、
用を足していると、今自分が職場に泊まっていて、入口は全て施錠しているので、自分以外の人間は施設の中には存在しないということを思い出す。
じゃあ今ぶつかったのは?
と思った所で、トイレの個室の入口のドアの下、僅かな隙間が空いているのですが、そこから青白い手が差し込まれて、それが見つめている私に向かって「かっ!」と指を指す。
そこでいつも目が覚めるのです。
はあ、明日は泊まり番です。