夕日の成分が、今日は心地良かった。

今日はクーラーの効いた部屋で一日中ゴロゴロしていた。

この日記を書いている最中もゴロゴロしている。

こんなただただ怠惰を極めたという事を書く必要は無い。

しかし、今日の怠惰は特別だった。

日が傾いてきて、光線の色がオレンジに変わる。

あの光には厄介な成分が含まれていると僕は思い続けている。


深爪の隙間から入り込んで、光は僕の中で眠っている、悲壮感や焦燥感を揺り起こして僕を攻め立てさせるんです。

今日一日グータラして、何て意味の無い一日を過ごしたんだ!

ダメな奴だ。

そんな風に、あの光は僕を苛む、

僕みたいな人間はどこにでもいるのだから、きっと、沢山の人が苛まれているだろう。

そんな人間が増えれば増えるほど、水平線に浮かぶ憂鬱の象徴は、美しくなるのだろうか?


光線が僕の中に入り込んできた。

いつもと違った。

体の内側がぽかぽかと暖かい。

涼しい風が、僕の表面を撫でる。

「おつかれ」

そんな声が聞こえた。

僕の中の暗い感情達は、穏やかな寝息を立てて眠り続けている。

声の主は誰だろう?

夕日に連れ去られた昔の僕が、僕を励ますために、水平線から泳いでやって来たのだろうか?